ローテ壁パ考察

壁を張ってからすぐに横のポケモンを動かせるローテの壁は非常に強力。5ターン(粘土があれば8ターン)もの間、壁下で味方を動かすことが出来る。

以下に壁役、相性の良い攻撃役、対策について述べる。壁役と攻撃役については自分がこれまで使ってきたものを適当に並べていくので実際に採用するかどうかは各自で判断してほしい。


壁役

求められる性能は最低1回、出来れば2回の壁張り。

基本的にはラティかライコウ。数値が高く壁役として非常に優秀。

ラティより速い壁役が欲しいがライコウではタイプ的にハマらないという場合はジャローダアグノム、スターミーといったポケモンが採用候補として挙がる。正直ラティライコウと比べると力不足な感じはするが。あとはエーフィあたりも候補として挙がるか。

クレセリアドータクン、水ロトム等が壁を張るのもたまに見る。ただ壁役として採用するというよりはまずこれらのポケモンが必要となった上で壁を持たせる場合が多いだろう。対面の安定しないローテで低速のポケモンに壁役を任せるのは間違いなく弱い。2回目以降の壁張りが困難であり、急所や挑発によって1回も壁を張れない場合もあるからである。壁役には速いポケモンを選びたい。

壁役にとって有利な相手を選んで壁を張ることのできるシングルでは光の粘土が非常に強力。しかし有利な対面を意識して作ることのできないローテでは光の粘土は持たせにくい。ラティならスカーフガブリアスの逆鱗や相手のラティオスとの同速負けによって壁を張ることができないということがないようにハバン、ライコウなら相手のスカーフ地面の地震やすいすいの雨ハイドロポンプを意識して襷といった行動回数を保証するアイテムを持たせるのが人気である。


壁下で動かしたいポケモンについては積みポケモンと拘りポケモンの2種類に分けて紹介する。壁が張られている内に積むことで壁が切れた後でも場を制圧できる積みポケモンと少ない壁ターンを使って高火力で相手を崩す積みポケモンでは使い方がやや異なるからである。壁はただ採用しても強いが、意識して恩恵を受けるポケモンを採用することでより強く活用することができる。



積みポケモン

ローブシン

数値が高く弱点も少ないので、壁を張ることで撃ち合える範囲が格段に広がる。ドレインパンチによって攻撃と回復が同時に出来るのも魅力的。ラティライコウとの相性も良い。オボンや残飯を持たせるのが主流。火炎玉は消耗が激しく扱いが難しい。珠はそこそこ強いかもしれない。低速なので常に事故の危険が付きまとうことには注意したい。


スイクン

壁下で圧倒的な撃ち合い性能を持つ。瞑想さえ積んでしまえば強化アイテムのない電気と撃ち合うことすら可能。持ち物は残飯、カゴ、オボンあたり。身代りを採用すれば壁パの最大の弱点である急所の被弾を避けることができる。壁と瞑想により身代りを残せる範囲はかなり広い。その場合は残飯を持たせて水技冷凍身代り瞑想といった技構成で使うのが良いだろう。カゴを持たせて水技瞑想身代り眠るで使ってもそれなりに強かったが。


カイリュー

壁+マルチスケイルで鉄壁。ただマルチスケイルを潰されると壁下でも氷技ピンポで潰されるので過信は禁物。壁がなくても十分動けるので立ち回りの幅は広い。


ハッサム

壁によって等倍相手との撃ち合いに強く臨める。鉢巻地面や眼鏡電気のゴリ押しによってハッサムを処理しようとしてくる相手に対しては有効だが、壁があってもヒードランシャンデラには勝てないのでそこは気をつけたい。


ウルガモス

刺さっている相手に対しては鬼のような強さを発揮する。貴重な特殊の積みポケモン


キノガッサ

壁を張っても殺される飛行技には気をつけたい。胞子によって壁により発生するラグを突いて攻めてくる相手の積みポケモンを牽制することができるのは他の積みポケモンにはない特色。


バシャーモ

剣舞+加速は非常に魅力的だが、壁を張ってもそれほど固くはならない。専用の配分で運用した方がいいかもしれない。


化身ボルトロス

壁を張ると案外固い。悪巧みで使いたい。


霊獣ボルトロス

Sの関係から悪巧みは使いにくい。高速移動での運用となるだろう。その場合火力はやや物足りないので持ち物は珠などの強化アイテムか。


ズルズキン

竜舞使うならバシャーモでいいし、ビルド使うならブシンでいいと感じた。悪タイプが強いからワンチャンはある。


ランクルス

溶けると瞑想を覚える。壁と組み合わせるならクレセリアより強い気がする。バンギラスハッサムが消えたら使いたい。


ドータクン

ゴツメを持たせればバンギラスに負けないランクルスとして使えそうだが実際はカゴの方が使いやすかった。技構成は鉄壁瞑想眠る何かみたいな感じで。自己再生が欲しい。


カビゴン

腹太鼓と鈍いという2種類の積み技を持つ。溶けるブルンやシュバルゴの登場がかなり痛い。



拘りポケモン

ラティオス

ラティオスの処理をスカーフガブリアスキングドラに任せている構築を崩壊させる壁眼鏡ラティオス。壁を張っている隙に積んでくるカイリューパルシェンハッサムに壁役ごと崩されることがないように取り巻きの選択や立ち回りには気をつけたい。


ヒードラン

カイリューパルシェンハッサムといった積みポケモンに対して抵抗力を持つのでそれらを見ても壁からガンガン殴っていける。ただし剣舞バシャーモには注意したい。眼鏡が強力だが壁を盾に身代りで詰めていくのも強い。


メタグロス

眼鏡電気やすいすい等の特殊高火力で突破を狙ってくる相手に対して光の壁鉢巻グロスが刺さってくる。アムハン、思念、コメットと殴れる範囲が広くかなり強力。ハッサムには注意。


カイリキー

やはり単格闘は壁と相性が良い。スカーフでも鉢巻でも強い。


ロトム

壁によって数値の低さを補うことで高火力の眼鏡ハイドロポンプを思う存分撃っていける。壁と合わせる前提ならガブリアスラティオスに対する眼鏡ハイドロポンプの乱数を考えてC172の個体を使いたい。


バンギラス

地面や眼鏡水とも撃ち合えるようになる。格闘だけはどうにもならないので注意したい。鉢巻が強いが竜舞もそれなり。



対策

壁役を潰す

ある意味一番手っ取り早い壁対策。ラティアスをスカーフガブリアスや眼鏡キングドラライコウをスカーフガブリアスやスカーフドリュウズで上から殴れば壁を張らせることなく落とせる。ただしラティアスがハバン、ライコウが襷シュカ風船を持っていることを考えるとかなり怪しい。


積む

相手が壁を張っている隙にこちらのポケモンで積めばかなりのアドバンテージを得られる。もちろん相手もそれは承知済みなので安易に壁を張ってくるようなことはしないだろうが壁展開に圧力をかけられるのは非常に大きい。


瓦割

壁を消してしまう。自然と瓦割が技構成の中に入ってくるポケモンがなかなかいないのが難しいところ。


展開の妨害

キッスのエアスラ、カイリキーの爆裂、催眠、威張るなどで壁ターンを消費させるのはそれなりに有効。


壁を張り返す

相手の壁張りを見てからこちらも壁を張ってしまう。しかし相手の壁+積み展開に対しては有効に働かない。


ココドラ

壁を無視してダメージを与えられる。カイリキーやゴーストがいなければかなり仕事はできる。


挑発

ワンチャン。悪戯心など上から挑発を撃てるポケモンならまだいいが、ヒードランなどの遅いポケモンで撃とうとするとうまく壁張りのタイミングに挑発を合わせても1回は壁を張られる上に、横のポケモンに縛られている場合もあるのでかなりの不利択を強いられることになる。


壁役にしっかりダメージを与えて動く回数を制限する、もしくは積みの起点にする、物理と特殊を両方並べて相手にどちらの壁を張るか悩ませる、拘りポケモンで弱点を突く、4倍弱点を狙う、耐久の高いポケモン、S操作、状態異常で壁ターンをごまかすといったことはどの構築でも意識できる部分だと思うので頭に入れておいてほしい。



安定行動を作りやすく、勝率を高く維持するにはもってこいの壁パだが最近はめっきり見る機会が減ってしまった。多くの構築が高耐久ポケモンを突破するための積みポケモンを採用しているということから使いにくいと判断されているのだろうか。しかし、壁展開が刺さっている相手は積極的に壁を使って詰ませる、そうではない相手は普通に戦いながらタイミングを見計らって壁で詰ませるといったことができるためもっと使われてもいいだろう。

ちなみに自分が壁パを使うことはかなり多い。やはり立ち回りを楽にしてくれる壁は強い。