ローテ雨パ考察 (3)対策
主にすいすいアタッカーをどう対策していくか記述していく。
すいすいアタッカーからの縛りの解除
まずは驚異的な制圧力を持つすいすいアタッカーの縛りをどう解除するか考えていく。
・自動天候変化
相手に隙を見せずに済むため場に出た瞬間に天候を奪える自動天候変化のポケモンを採用するのが最も手っ取り早いすいすい対策。
選出についてはバンギノオーを採用する場合は最遅にして表に置くことで天候を奪うというのが基本。しかし雨側がバンギノオーを見てすいすいを選出をする場合は基本的に裏にニョロトノを置くので、それを見越して裏にバンギノオーを置いても良い。その場合バンギノオーは最遅ではなくトノジバコあたりを抜く程度までSを伸ばしたものを採用するのもあり。すいすいポケモンは雨が降っていなければ怖くは無いので選出段階でかなりのアドバンテージを得ることができる。とはいえ相手が思い切って表にトノグドラを並べてきたとき相当苦しい展開になるので自分は表に最遅バンギノオーを置く方が好きだが。ただし相手が鉄球トノを表に置いてきて天気を奪われた場合はこれも厳しい。鉄球バンギを表に置くのが最安定。
キュウコンを採用した際は相手がトノを表に置くか裏に置くかはまちまちなので、後ろに控えさせて場に出す機会を窺いたい。
カバルドンはバンギノオーと同様の使い方で問題ないだろう。
手動天候変化や光の壁によってすいすいの素早さや火力を奪うのも有効。隣の積みポケモンには気をつけたい。
・手動天候変化
天候変化要員としてメジャーなのはスイクン、クレセリア、モロバレル、ブルンゲル、エルフーン、ナットレイ、水ロトム、ドータクンあたり。耐久が高く水耐性を持っていてパルシェンに強いスイクン、数値が高く取り巻きに縛られないクレセリア、水電気格闘を1体で止められるモロバレル、パルシェンとバシャーモに強く水耐性を持つブルンゲル、積み技をアンコールで縛れるエルフーン、草でありながら飛行に縛られないナットレイ、水飛行耐性を持ちトノ+すいすいに打点を持っている水ロトム、氷飛行耐性を持っていてすいすいと眼鏡電気から縛られないドータクン。クレセリアとモロバレルは格闘耐性は持っているものの日本晴れを撃ってしまうとバシャーモから晴れフレアドライブを食らってしまうので注意したい。
・光の壁
ラティアス、ライコウ、サンダース、エルフーンあたりで壁張り。ラティアスは眼鏡ジバコイルの雷2耐え、トルネロスのジュエルバット耐え程度の耐久を確保することができて、ハバンを持たせれば控えめキングドラの珠竜波動+雨珠ハイドロポンプを耐える。ライコウは上からトルネロスを1発で落とせる点が魅力的だが、耐久に振らなければすいすいの攻撃は耐えられないのでCS襷かDS配分での採用となるだろう。Cに振らない場合はトルネロスを確定で落とせなくなってしまうが。サンダースは光の壁に加えて癒しの鈴を覚えるためバレル対策も兼ねられる。エルフーンは日本晴れも覚えるので構築次第でどちらを採用するか選べる。壁ならば天候変化とは違い雷の火力も落とすことができる。
天候変化要員や壁張りが雨パに採用される積みポケモンとして最メジャー級であるパルシェンとバシャーモに強くない場合はきっちり受けられるポケモンを用意したい。無償で積む隙を与えてしまうと全抜きまで見えるので受けは固めたいところ。選出を考える際に駒が足りないと感じた場合は別の天候変化要員や壁張りの採用を検討すべき。
追い風やトリックルームを駆使することですいすいアタッカーを縛るのも有効な戦術。
・追い風
追い風要因としてはスイクン、エルフーン、トルネロスあたりが有力候補。スイクンとエルフーンは天候変化も使えるので相手の選出次第で追い風と天候変化のどちらを使うか選べる。トルネロスは雨パで一貫しやすい飛行打点を持ちながら追い風を使える。物理型なら厄介なモロバレルを一撃で葬り去れるのが大きい。
クレセリア、ブルンゲル、ドータクン、ユクシー、サマヨール、シャンデラ、エルフーンあたりが候補として挙がってくるだろうか。クレセリア、ブルンゲル、ドータクンは天候変化とトリルを同時に覚える。ユクシーは貴重な癒しの鈴使い。サマヨールとシャンデラは貴重なゴーストタイプ。サマヨールは耐久の高さ、シャンデラはバシャーモ、草、エスパーに強いという点がうれしい。エルフーンは基本は追い風を使わせることになるだろうがトリルも一応候補に挙がるということで。襷トリル→追い風or日本晴れといったような動きが出来るのは面白い。
その後の展開
すいすいアタッカーからの縛りを解除した後にどう立ち回るかを考えなくては最終的に押し負けてしまう。どのように展開していくのが良いか例を挙げていく。これらはあくまで例なので参考程度に留めて置きたい。
・光の壁+自動天候変化
ライコウで光の壁を張ってカイリューで竜舞を積むかカイリキーで混乱をばら撒く。裏にはすいすいの素早さを奪えるユキノオー。
・自動天候変化+トリックルーム
バンギラスで天候を奪いながら眼鏡ラティオスの竜の波動や流星群を通すかハッサムで剣舞を積んでいく。天候を取られると厳しいのでバンギラスに砂嵐を持たせるか、裏にブルンゲルをおいて再び天候を取り返したい。ブルンゲルをクッションにして再びバンギラスを場に出すことで天候を奪っても良し、ラティオスを切ってブルンゲルを出してトリルからバンギハッサムで攻めるも良し。
・手動天候変化+追い風
スイクンの晴れからハッサムで剣舞を積んで殴るか追い風から鉢巻ガブリアスで殴る。裏にはストッパー兼掃除役としてジバコイル。
上記のように対雨において有効な要素を複数組み合わせるのが望ましい。天候変化だけでは天候を取り返されたときの立ち回りが安定せず、光の壁だけでは相手の積みポケモンが怖い。追い風だけでは守るで凌がれる可能性があり、トリルだけではナットレイやモロバレルに展開を妨害されてしまう。すいすいアタッカーからの縛りを解除したら積み技や拘りアイテムの高火力でアドバンテージを稼いで相手を崩しにかかりたい。
対雨性能の高い攻撃役
対雨においては補助役だけではなく攻撃役も非常に重要である。ここでは採用される可能性が高い型とともに紹介する。
・ガブリアス
拘り鉢巻を持って追い風か天候変化から殴る。襷剣舞も選択肢として有力。バンギガブの場合は身代りからの展開も視野に入る。
・ラティオス
眼鏡を持たせて流星群で一気にアドバンテージを稼ぐか、竜波かエスパー技連打で崩していく。瞑想もワンチャン。
・ラティアス
サポート役ではなく撃ち合い性能の高さを活かして眼鏡アタッカーとして採用するのもあり。
・カイリュー
マルチスケイルを盾に行動回数を確保できる。先制技を持っているので積みポケモンであるパルシェンやバシャーモにも強い。持ち物は神速の威力を強化するための珠かニョロトノに大ダメージを与えるためのドラゴンジュエル。
・パルシェン
雨パはニョロトノが削れるとパルシェンが一貫しやすい。晴れと組み合わせて攻める。
・ユキノオー
天候を奪えるだけではなく草技でニョロトノ、氷技で飛行、地震でジバコイルを殴れるので攻撃役としても非常に優秀。持ち物は確実に行動回数を確保するための襷かトノ+すいすいをウッドハンマーで葬り去れる命の珠。
・メタグロス
控えめキングドラの雨珠ハイドロポンプを耐える特殊耐久を確保することができる。対ナットレイモロバレルを考えて鉢巻を持たせたい。すいすいや眼鏡電気から縛られることなくナットレイとモロバレルを狙えるというのは非常に大きい。ナットレイ入りの雨に対してはトリルからアムハン連打、モロバレル入りの雨に対しては光の壁から思念連打で崩していく。
・ナットレイ
水電気竜耐性、飛行等倍という優れた耐性を活かして殴らせたい。鉢巻を持たせるとジバコイル、ボルトロス、パルシェン、トゲキッスあたりに過労死させられやすくなるため、残飯やオボンを持たせた宿り木ナットレイの方がいいかもしれない。
・ハッサム
日本晴れで水技の威力を下げて剣舞を積む。ナットレイ雨に対してはトリルから攻めたい。モロバレル雨に対しては先制技で詰めていく。
・ドリュウズ
型破り鉢巻での採用。ナットレイを強引に削ることができて、ジバコイルに仕事をさせることなく落とすことができる。日本晴れや追い風と合わせたい。
・ジバコイル
頑丈を盾にして相手のキングドラやバシャーモを潰しにいける。パルシェンやトルネロスに強く、削られてもニョロトノに圧力をかけることができる。持ち物はやはり眼鏡が強力。ゲロゲ雨に対しては刺さりにくい。
・霊獣ボルトロス
雨パのニョロトノ電気飛行に優位をとることができる。特に対雨性能が高い型は珠高速移動。天候変化や壁と合わせて使っていきたい。
・水ロトム
トノすいすい飛行パルシェンあたりに強め。眼鏡アタッカーとして採用してもいいし、晴れや壁を持たせても良い。
・ランターン
電気無効、水飛行氷半減の耐性が優秀。眼鏡を持って殴るのも良し、癒しの鈴でサポートに回るのも良し。
・草ロトム
飛行に弱くない草なので雨パのホットラインであるトノ飛行電気に対して1体である程度戦える。眼鏡よりも日本晴れを持たせる方が使いやすいか。
・バシャーモ
襷剣舞か晴れと組み合わせて珠で採用したい。襷剣舞でも臆病キングドラを考えると怪しいものがあるので晴れや追い風と組み合わせるのが無難。
・テラキオン
飛行技で縛られずに高火力の鉢巻インファイトが撃てる。襷剣舞も悪くはないだろう。
・キノガッサ
剣舞珠マッパですいすいアタッカーを縛ることができる。トリルからタネマシンガン連打も強力。持ち物は珠、襷、毒毒玉あたりが候補。
・ビリジオン
飛行が怖いものの水電気ナットレイにまとめて強い。鉢巻を持たせての運用。格闘ジュエルと日本晴れを持ったものもいる。
・カイリキー
混乱をばら撒くことで相手の積み技や雨乞いを妨害することができる。スカーフが大安定。
・ローブシン
雨パにゴーストが入ることはそれほど多くないのでトリルや壁からのローブシンが刺さる相手はそれなりに多い。火炎玉を持たせればモロバレルに対して弱くはなくなる。
・ドクロッグ
水を無効化できる、ナットレイに打点を持つ、格闘耐性を持っている、剣の舞とビルドアップが使えるという特徴を持つ。眼鏡電気、飛行、モロバレルが怖い。
・ハピナス
特殊耐久が高く豊富な攻撃技を持っている。日本晴れが使えるのもポイント。
・レジアイス
ハピナスより更に火力が高く、タイプ一致の氷技が強力。
・トリトドン
水と電気を無効化できる上に耐久を伸ばせば積み技を絡められない場合1発で処理されることはまず無い。草には何も出来ないので注意したい。
・ココドラ
すいすいや眼鏡電気の高火力を恐れずに動ける。パルシェンやトゲキッスの入っていない雨パに対しては絶大な破壊力を発揮。ナットレイのタネマシンガン、スカーフカイリキー、ゴースト、ゴツゴツメットあたりには気をつけたい。がむしゃらによる削りだけではなく頑丈を盾にして天候変化をすることもできる。持ち物は木の実ジュースが最安定。
雨パに一貫しやすい打点としてはドラゴン、地面、格闘、氷、草といったところ。またすいすいアタッカーとしてキングドラを採用した雨パには電気、ガマゲロゲを採用した雨パには水を一貫させやすい。これらの一貫を狙って立ち回りたい。
自動天候変化、手動天候変化、光の壁、追い風、トリックルームの内から2つ、対雨性能の高い攻撃役が2体入っていれば雨対策は十分だろう。ただしこれらを構築に入れて安心するだけではなく選出や立ち回りについても具体的に詰めていきたい。