王道を往くバンギガブ
種族 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|
バンギラス | 悪の波動 | 岩雪崩 | 大文字 | 冷凍ビーム | 気合の襷 | 砂起こし |
ガブリアス | 地震 | ストーンエッジ | 剣の舞 | ダブルチョップ | ガブリアスナイト | 鮫肌 |
ファイアロー | ブレイブバード | フレアドライブ | 追い風 | 剣の舞 | 命の珠 | 疾風の翼 |
水ロトム | 10万ボルト | ハイドロポンプ | 雷 | トリック | 拘り眼鏡 | 浮遊 |
ナットレイ | パワーウィップ | ジャイロボール | 鈍い | 眠る | ラムの実 | 鉄のとげ |
サマヨール | ナイトヘッド | トリックルーム | 金縛り | 重力 | 進化の輝石 | プレッシャー |
配分
種族 | 性格 | 配分 |
---|---|---|
バンギラス | 冷静 | 207(252)-155(4)-130-161(252)-120-59 |
ガブリアス | 陽気 | 183-182(252)-116(4)-x-105-169(252) |
ファイアロー | 陽気 | 154(4)-133(252)-91-x-89-195(252) |
水ロトム | 控えめ | 155(236)-x-127-172(252)-127-109(20) |
ナットレイ | 勇敢 | 181(252)-160(252)-151-x-137(4)-22 |
サマヨール | 呑気 | 147(252)-x-174(68)-x-174(188)-27 |
【全体解説】
カロスローテ環境で真っ先に目をつけたポケモンはナットレイ。隙を見せたら全抜きまで見えるマリルリにめっぽう強い上に、自身の苦手な格闘ポケモンはトゲキッスやファイアローといった優秀な対格闘要員に抑えつけられていることもあって非常に動きやすいのではないかと考えた。
次に採用を決めたのはファイアロー。特性疾風の翼によってS操作を無視して先制攻撃ができるため、採用することによってある程度S操作耐性を補強することができる。ナットレイの苦手な炎や格闘に耐性を持ち、自身の苦手な水ロトムやバンギラスに対してはナットレイが打点を持てるということで好相性。
相手のファイアローが厳しい、もっとマリルリを厚く見たいということで3体目には水ロトムを採用。ナットレイの苦手な鋼や炎に打点を持てる上に、自身の苦手なドラゴンや草に対してはナットレイが強めということでナットレイとの並びが強い。
相手の電気、特にナットレイが殴れないジバコイルが重いのでガブリアスを採用。地面タイプの中でもナットレイの苦手な炎を半減出来る、水ロトムに飛んでくるナットレイのパワーウィップ、ファイアローに飛んでくる水ロトムの眼鏡ハイドロポンプに縛られないという点を評価した。
相手のS操作に対する対抗手段がファイアローだけでは不安なのでトリックルーム役を採用したい。クレセリアやポリゴン2が使えない、ドータクンが悪ゴーストを抜群でもらうようになり採用に一抹の不安を覚えるということでサマヨールをチョイス。ナットレイの苦手な格闘に強いのも○
ここまで悪ゴーストが一貫している、飛行半減が水ロトムしかおらず対ファイアローが不安といったあたりが問題なのでそれを解消するためにバンギラスを採用。天候変化によって対雨を見据えることができるというのも素晴らしい(いるかどうかは知らない)
カロスローテ環境で使う構築を普通に考えたら大体こんな感じになるんじゃないかなと思って王道を往くバンギガブという名前をつけた。実際こんな感じの面子を使っている人は多いらしい。ただ王道を往くバンギガブと銘打っているものの構築の中心はナットレイであり、バンギガブはあくまでも補完としての採用であるということに留意していただきたい。
【個別解説】
バンギラス@襷
冷静HC 207(252)-155(4)-130-161(252)-120-59
悪の波動 岩雪崩 大文字 冷凍ビーム
対ナットレイに不安が残る、構築が物理に偏っているという点が気になったので特殊型で採用。ナットレイに対して大文字を撃つ機会を増やしたいので持ち物は襷。
相手の最遅トノと先発でかちあった際に天候を奪えるように最遅。トリルから動かしやすくなるというのも嬉しい。
技構成はエスパーゴーストに対する遂行技である悪の波動、ファイアローに撃つための岩雪崩、ナットレイやキリキザンに撃つための大文字、ガブリアスやサザンドラに撃つための冷凍ビームの4つで決まり。
ガブリアスを襷にしてこちらにメガストーンを持たせるのも悪くないかもしれないと思ったが、Sが上昇するのでメタグロスやキリキザンを見てトリルから動かしにくくなる、襷を盾にしてガブリアスやナットレイを止めることができなくなるといった点を考慮して見送り。対雨をより厚く見れるため悪くない選択肢だとは思う。
ガブリアス@ガブリアスナイト
陽気AS 183-182(252)-116(4)-x-105-169(252)
地震 ストーンエッジ 剣の舞 ダブルチョップ
メガガブリアス
陽気AS 183-222(252)-136(4)-x-115-158(252)
最初は鉢巻での採用を考えていたが、トゲキッス+ジバコイルのような浮いているポケモン+ガブリアスの役割対象といった並びを見た際に撃ち分けができないのは苦しいと考えたのでボツ。襷はバンギラス、珠は後述するファイアローに持たせたかったということで代わりを探したところ、火力を底上げしつつ撃ち分けの効くアイテムとしてメガストーンがいいのではないかと考えたので採用することに。
追い風や重力を駆使してその火力を存分に発揮できる舞台を整えたい。ファイアローやサマヨールがバンギラスを呼び込むので相手の起こした砂を利用できるというのも頭に置いて選出を組み立てる。
メガリザードンやメガガルーラを意識して最速。メガシンカするとその辺に抜かされるようになるのでタイミングはよく考える必要がある。
メインウェポンの地震、地震竜技両方を無効化するトゲキッスや浮いているポケモン+フェアリーの並びに撃てるエッジ、追い風下での圧力を高める剣の舞は欲しい。最後は追い風下のメガガブリアスを無理矢理止めようとしてくる襷ガブリアスや襷シャンデラを潰すためにダブルチョップを採用。
6thローテでは浮いてるポケモンをドラゴン技で見るのが苦しい場面は多くなりそうなので、地震とエッジがガブリアスのメインウェポンになるのではないかと考えている。1体持っていったところで横のフェアリーの起点になってしまうというのは大問題なので逆鱗の採用はかなり苦しいような気がする。
ファイアロー@珠
陽気AS 154(4)-133(252)-91-x-89-195(252)
ブレイブバード フレアドライブ 追い風 剣の舞
ナットレイを見て炎技を撃ちたい場面が多くなるだろうと考えたので撃ち分けの効く珠を持たせることにした。ブレイブバードの火力だけを考えるなら青空プレートでも特に問題は無いがフレアドライブでメガクチートを落とすために珠の火力が欲しい。
削れた高速ポケモン+ナットレイの並びに炎技を撃ちたい、相手のファイアローより早くブレバや追い風を撃ちたいといった場面を考えて最速。
メインウェポンのブレバ、鋼に撃つフレドラは確定。あとはガブリアスと水ロトムを動かすための追い風、マリルリ軸の壁トリパのような展開の遅い構築に刺すための剣舞を選択した。
水ロトム@眼鏡
控えめ 155(236)-x-127-172(252)-127-109(20)
10万ボルト ハイドロポンプ 雷 トリック
・眼鏡雷で151-115キングドラを乱数1発(9/16)
・眼鏡10万で207-126ブルンゲルを確定1発
・182ガブリアスのドラゴンクローで乱数2発(12.45%)
・216ボルトロスの眼鏡10万耐え
・追い風下で最速スカーフキッス抜き
眼鏡以外の水ロトムが弱すぎるので持ち物は眼鏡。この枠のロトムは火力が無いと弱い。
サマヨのトリルから動かす展開も多くなるだろうと考えたのでSを追い風構築の最低ラインであると思われる109に設定して残りをHCに振り分けた。この程度のCがあれば191-136トゲキッスや171-150メガギャラドスも眼鏡10万で落とせる。
10万ハイポンはいうまでもなく確定枠。あとは申し訳程度の対雨要素として雷、展開の遅い構築を潰すためのトリックを採用。
ナットレイ@ラム
勇敢HA 181(252)-160(252)-151-x-137(4)-22
パワーウィップ ジャイロボール 鈍い 眠る
配分はマリルリや水ロトムをパワーウィップ1発で仕留めることのできる勇敢HA。
草技についてだがマリルリに75%(腹太鼓後にオボンが発動したHPの数値)以上のダメージを与えることができないのは大問題なのでタネマシンガンや種爆弾は論外。パワーウィップ一択だろう。
ナットレイに対する個人的な評価が高いということもあり、ナットレイに対して隙を見せるナットレイはとてもではないが怖くて採用できなかった。したがってミラーに最も強い型であると思われる鈍い眠る型を選択することに。
持ち物は火傷、凍り、混乱をもらっても即座に回復して行動出来るラムを選択。
サマヨール@輝石
呑気 147(252)-x-174(68)-x-174(188)-27
ナイトヘッド トリックルーム 金縛り 重力
・237メガバンギラスの竜舞噛み砕く耐え=182ガブリアスの剣舞珠逆鱗耐え
・172水ロトムの眼鏡ハイドロ2耐え
トリル役としてサマヨールを選択した最大の理由は重力。環境初期ということもあってS操作耐性の薄い構築が散見されるのではないかと考えたので、そういった相手に対しては重力追い風からのメガガブリアス展開でイージーウィンを狙うことにした。水ロトムのハイドロポンプやナットレイのパワーウィップの命中が上がるというのも地味だがかなり大きな要素。
上記の配分は生意気でもまったく同じ数値を実現できるということで非常に乞食に優しいものとなっている。
金縛りの枠は鬼火とどちらを採用するか迷ったが、鬼火は腹太鼓マリルリに決まっても焼け石に水、ナットレイに眠られたら意味が無い、ファイアローに入らないということでイマイチ刺さらないような気がしたのでクリーンに決まれば一気に試合の流れを引き寄せることのできる金縛りを選択した。
特性にはおみとおしという選択肢もあるがローテでは多くの場合強力な技のPP切れを狙えるプレッシャーの方が有用であると思われるのでこちらを選択。先頭に置いた際に表3体の持ち物が見えるのなら強かったのにね。もしくは前に出てくるたびに相手の持ち物が見えるとか。
【選出パターン】
トリル耐性の薄い相手ならバンギor水ロトムorナットレイ、サマヨール+ガブリアスorファイアローを選出して序盤からトリルを張って攻める。サマヨが余裕で動けそうなら裏にもトリルアタッカーを置いていい。
S操作耐性がしっかりしている相手ならファイアローor水ロトム、ナットレイ、何か+サマヨールorファイアローを選出して終盤にS操作で捲る。
今雨が使われるならどんな面子になるのかさっぱりわからないので、雨パ相手にどのような選出をするかは微妙なところ。ニョロ、グドラorゲロゲ、ガブリアスor格闘、ナットレイorモロバレル、トゲキッスorファイアロー、炎ロトムorジバコイルみたいな相手なら雨選出は諦めてガブナットあたりを通すための選出をしてきそうではある。やや苦しいが下手に選出を当てに行くよりもロトムガブアロー何かを選出して撃ち合いを挑む方がいいかもしれない。
【所感】
・相手のS操作対策となり、自分の勝ち筋を広げるS操作(追い風、トリックルーム)が組み込まれている
・壁に圧力をかける積み技(剣の舞、鈍い)が組み込まれている
・タイムラグ無しで決定力を発揮できる拘りが組み込まれている
・物理か特殊に打点が偏っていない
・多くの主要打点を2枚で受けることができる
・ゴースト悪の一貫を消している
ということで自分が構築を考える際に欲しい条件を満たしている非常にきれいな構築。どうして自分がきれいな構築にこだわるかというと、そういった構築ならば選出段階でこの相手はどうしても無理だと感じることはまず無いので動き次第で多くの相手に対応できるからである。対戦数が増えて相手の行動パターンを把握していくにつれて順調に勝率が伸びていくというのは重要なポイント。長く使うつもりの構築ならばこういった点にこだわるようにしている。もっとも期間の限られているカロスローテ環境でそれを強く意識することもないのではないかという気はするが。
2つのS操作、3つの積み技、拘り、襷、重力が揃っているので様々な角度から攻め筋を組み立てることができる。ローテで択要素を完全に消すことは不可能なので、ある程度の保険を抱えながら相手にきつい択を押しつけてどこかで引っかけて勝つというのが持論だがそれが実践しやすい中身になっていると思う。
スカーフドラゴンやフェアリーがおらずドラゴン受けが1体しかいないというのは失敗だったかもしれない。特に相手のガブリアスを上から叩けるのがファイアローだけというのはやや苦しいか。先手を取ってガブリアスを殴れるかっこいい準伝ポケモンたちがいないからしょうがないね。