ローテトリパ考察
ローテーションバトルにおけるトリックルームパーティーを主に対策側の視点から考えていく。トリックルームは持続ターンが5ターン(実質4ターン)と長いため、構築段階で強く意識しないと一方的な敗北を喫することとなる。ここではトリル役やアタッカーについても合わせて紹介していく。
・トリル役
サマヨール:20族(最遅でS22)
ランクルス:30族(最遅でS31)
ドータクン:33族(最遅でS34)
ブルンゲル、ポリゴン2:60族(無振りでS80、最遅でS58)
シャンデラ:80族(無振りでS100、最遅でS76)
クレセリア:85族(無振りでS105)
ユクシー:95族(無振りでS115)
よく見るトリル役は大体こんなところ。ランクルスは溶けると瞑想、ブルンゲルは溶ける、クレセリアは瞑想を使って詰ませに来ることもある。ランクルス、ポリゴン2、シャンデラは自らアタッカーとして動く場合も。クレセリアやユクシーは最遅にするメリットがほとんどないので無振り近辺で使われる。クレセリアはメタグロス、ニョロトノ、キノガッサあたりより遅いと逆に困ることが多々ある。ユクシーは最速カイリキーを考慮して素早さを118まで伸ばすことが多い。
あまり見ないがナッシー、エルフーン、エーフィあたりもトリルを張ってくる可能性がある。
・トリルアタッカー
カビゴン:30族(最遅でS31)
ヌオー:35族(最遅でS36)
ドサイドン:40族(最遅でS40)
カイリキー、ゴルーグ:55族(最遅でS54)
ズルズキン:58族(最遅でS56)
ユキノオー、ジバコイル、エンペルト:60族(準速でS112、無振りでS80、最遅でS58)
バンギラス:61族(準速でS113、無振りでS81、最遅でS59、鉄球最遅でS28)
ハッサム:65族(準速でS117、無振りでS85、最遅でS63)
メタグロス、ニョロトノ、キノガッサ:70族(準速でS122、無振りでS90、最遅でS67、鉄球最遅でS33)
敢えてあまり見かけないものも入れた。トリックルームから攻めてくるこれらのアタッカーに対応できるのならばトリル対策は万全である。
・対策
それでは具体的にどのようにトリルに対して切り返したら良いかを具体的に考えていく。
その1 トリックルームでの切り返し
相手のトリックルームの発動をこちらのトリックルームで切り返す。その際のトリル役としては耐久の高いサマヨール、ポリゴン2、クレセリア、優秀な耐性を持つドータクン、溶けるを使ってトリルアタッカーを受けることのできるブルンゲル、襷を盾にしてトリルを切り返せるシャンデラあたりが適任だろう。他に襷を持つトリル役はブルンゲル、エルフーン、エーフィなどがいる。
ただしいずれのトリル役にも1発で落とされる、もしくはトリルの発動を妨害される相手が存在する。それらをカバーできるポケモンも合わせて採用したい。
ドータクン:剣舞虫のジュエルシュバルゴ、重力ガラガラ、鉢巻カイリキー、鉢巻ゴルーグの爆裂パンチ
※ただしノーガードカイリキーとノーガードゴルーグ相手には催眠術が撃てる
ポリゴン2:腹太鼓カビゴン、鉢巻ローブシン、鉢巻カイリキー、鉢巻ゴルーグの爆裂パンチ
クレセリア:腹太鼓カビゴンの噛み砕く、虫のジュエルor鉢巻シュバルゴ、鉢巻カイリキー、鉢巻ゴルーグの爆裂パンチ、剣舞ハッサム
ブルンゲル:鉢巻or鈍いナットレイ、珠ユキノオー、眼鏡ジバコイル、鉢巻or鉄球投げつけるバンギラス
※溶けるがあれば腹太鼓カビゴン、重力ガラガラといった展開の遅いトリパには滅法強くなる
シャンデラ:ドサイドンのロックブラスト、ゴローニャのロックブラスト、ガラガラのホネブーメラン
1ターンもしくはターンを要さずにトリル役を縛れる火力を引き出せるポケモンを挙げた。バンギラスやビルドアップズルズキンは1ターンでこれらのポケモンを縛る火力は引き出せないが、相性的にはかなり有利。
襷溶けるブルンゲルはものすごく強いかもしれない。
その2 遅いポケモンでの切り返し
こちらも遅いポケモンを採用して相手のトリル展開を妨害する。ナットレイ、モロバレル、ローブシンはスペックが高いので無理なく採用することができるだろう。当然のことながらこちらもそれぞれ相性の悪い相手が存在する。
ナットレイ:シュバルゴ、ローブシン、鉢巻カイリキー、ズルズキン、ハッサム、鉢巻メタグロスのアームハンマー
※ただしシュバルゴ以外に対しては身代り連打でトリルターンを消費させることができる。ローブシンのマッハパンチには注意
モロバレル:シュバルゴ、カビゴン
※ただしシュバルゴ+トリル役という並びに対して、胞子を撒いて妨害することができる。優先度の関係上、トリックルーム発動の際にはモロバレルが先手を取れるからである。対カビゴンは同速ゲー。いずれの場合も神秘の守りを張られたら対トリル性能を失ってしまう。身代り連打でターンを凌ぐことはできるが
ローブシン:カビゴン、ヌオー、ガラガラ、ゴルーグ
※対カビゴンはトリル展開をされる前にうまくビルドアップを積むことができれば対処可能。対ガラガラは同速ゲー
その3 その他
上記以外にもトリル展開を妨害、もしくはトリルアタッカーを潰す方法はいくつかある。
・悪戯心
身代り連打でトリルターンを凌ぐ。威張る、宿木、残飯、守るなどを絡めると更にターンを稼ぎやすくなる。連続技を持つナットレイ、ドサイドン、ゴローニャには注意したい。
・先制技
先制技で相手のアタッカーを潰す。トリルアタッカーとの相性次第では有効に働かないので注意したい。
・挑発
トリルの発動自体を止める。メンタルハーブに注意。
・身代り
悪戯心でなくても身代りは有効。トリルに合わせて身代りを張ってアタッカーを狙う。
・積み技
特に展開の遅いトリパに対して有効。小さくなる、積み技+先制技、鈍いや溶けるなどでトリル展開に圧力をかける。
・催眠
催眠を駆使してトリルの発動を妨害する。ラム神秘ドータクンは厳しい。
・ココドラ
トリルアタッカーをがむしゃらで削る。ココドラ単体ではアタッカーの処理ができないため、とどめは横のポケモンの先制技で。連続技には注意。頑丈、木の実ジュース、まもるによってトリルターンを消費させることもできる。
まとめ
上記の要素を組み合わせてトリル対策をしたい。トリルに対する切り返しのメインとなる駒を採用し、それを突破してくる相手を他でカバーするという形が適当なところだろう。サマヨールとカビゴンのA+6噛み砕くを耐えられるローブシンの組み合わせや、ブルンゲルとブルンゲルの苦手なナットレイやユキノオーに強いヒードランの組み合わせ等が例として挙げられるだろうか。
ローテにおいて意識しなくてはいけない相手はトリパ以外にも多い。他との兼ね合いも考えつつどの程度対トリパを意識した駒を採用するか、またどのような立ち回りをするのか構築段階で考えておきたい。